2022年夏休み旅行予約動向
リベンジ旅行で国内旅行はコロナ禍前の9割弱まで回復
株式会社エイチ・アイ・エス(本社:東京都港区 以下、HIS)は、夏休み期間(2022年7月21日~8月31日)の予約状況から、旅行動向について下記の通りまとめました。
調査日:2022年6月13日(前年同日比)
調査対象:HISにて対象出発日の旅行をお申込みの方
対象出発日:2022年7月21日~8月31日
対象商品:パッケージツアー、ダイナミックパッケージ、航空券(海外旅行のみ)
海外旅行
<市場環境>
世界の動きとしては、ヨーロッパ、北米が先行し旅行需要の回復がみられます。国際線の座席供給数においても、コロナ禍前の2019年と比較し、西ヨーロッパ(89.2%)、北米(83.2%)は、9割近く回復しております。(出典:OAG Aviation Worldwide / 2022年5月30日時点)多くの国が旅行制限の緩和や解除により、今後も引き続き、渡航の需要は拡大するとみられます。しかしながら、日本を含む東アジア(13.1%)は、引き続き一部制限が続いていることから、各国の回復速度より遅れが生じております。
<総観>
海外旅行は前年同日比で2,191.1%(約22倍)。日本では昨年、入国制限や緊急事態宣言下にあったことから、レジャー渡航はほぼなく、法人渡航や外国籍の方を中心とした帰省など、限られた方がご利用されておりました。今年は、水際対策緩和後の初の夏休みということもあり、レジャー目的での渡航者が多く占めておりますが、引き続き減便などの影響もあり、予約者数はコロナ禍前の2019年の1割程度にとどまっております。
平均単価は21万3,600円(前年比132.5%)。単価上昇の要因として、今年はラグジュアリーなご旅行を好まれる傾向があり、数年間控えていた海外旅行がようやく可能になった心理的欲求から、高サービスやクオリティを希望する方が多くみられます。そこに加え、欧米への需要が高いことから、原油価格高騰による燃油サーチャージ値上がりや便数の減少による飛行機の座席が取りづらい環境も一部影響しております。
また、レジャーのみならず、出張など法人渡航が急回復しております。クライシス後の回復の動きとしては、通常、レジャー需要の後に法人渡航の再開であったのに対し、今回はレジャーと同じタイミングで需要が回復してきているのが特徴です。
<ランキングのレビュー>
予約者数1位はハワイ。繁忙期の人気旅先としては不動であり、HISでの夏の海外旅行の予約者数の実に20%を占めました。年間を通して温暖な気候と日本語対応の環境が整っているなど、小さなお子様連れの家族旅行や初めての海外旅行の方も選びやすい旅先です。HISではハワイツアーを5月1日出発分より再開しており、レジャーのみならず、コロナ禍で控えていたハネムーンのご利用も多くいらっしゃいます。6月12日以降、入国に際するPCR検査による陰性証明の提出が不要になり、さらに渡航しやすい旅先となりました。2位にはバンコクがランクインしました。タイもハワイ同様、ワクチン接種証明書が提出できれば渡航前のPCR検査が不要であり、アジア地区でも観光客の受け入れに積極的で、規制緩和を段階的に進めております。3位にはソウルがランクインしました。韓国は観光客の受け入れを再開した6月以降、問合せが増加しております。現在、日本からの入国には観光ビザの取得が必要となっており、出発日ごとに決められた期間で大使館または領事館に申請する必要があります。コロナ禍前のように、間際での出発は難しいものの、ビザ取得まで余裕をもった夏以降のご旅行が検討されています。HISでは韓国ツアーを8月1日出発分より催行再開いたします。
ランキング内に長距離路線が4ヶ国入っており、直近のニュースとしても大きく取り上げられた燃油サーチャージの値上がりによる価格高騰についても、消費マインドを大きく押し下げる要因には至っていないことが分かりました。燃油サーチャージについては、日系航空会社が8月~9月発券分の引き上げを発表しており、過去最高水準の価格となります。7月末には再び航空券の駆け込み需要が予想されますが、例年混み合うハイシーズンとなりますので、お早目のご購入をお薦めいたします。
出国のピークは祝日「山の日」の8月11日で、お盆(8月13日~16日)に絡めた休暇でのご利用が想定されます。以降は均等に出発日が分散しております。
国内旅行
<市場環境>
全日本空輸は7~8月の羽田空港発着便を全便運航することを発表しており、国内線全路線の運航率においてもコロナ禍前の約95%まで回復予定です。日本航空も同様に減便を縮小、スカイマークも全便運航を予定しており、夏に向けて国内線の正常化の動きが見られます。既に開始している県民割は、対象者の居住地域が近県に拡大したこともあり多くの反響がありました。感染状況を踏まえた上で、7月前半より対象居住地域を全国へ拡大する政府の方針も発表され、また、Go Toトラベルの再開も検討されており、更なる旅行需要の活況が見込まれます。
<総観>
国内旅行は前年同日比で486.4%。全47都道府県のうち約9割が前年を上回る予約者数となっており、日本全国での旅行市場の回復が急速に進んでおります。コロナ禍前の2019年と比較すると9割弱まで戻ってきており、近距離旅行から遠距離旅行まで、幅広い旅先への需要が伺えます。
平均単価は79,500円(前年比92.1%)。緊急事態宣言下において減便されていた前年より、便数の戻りによる飛行機の座席が取りやすくなったことやLCCの運航が再開したことなどが影響していると考えられます。
<ランキングのレビュー>
予約者数1位は沖縄県。内訳としては、75%が本島、続いて15%が宮古島、8%が石垣島をご予約されております。レンタカーの供給不足が課題としてございましたが、引き続き、レンタカー会社によってはお盆など需要が集中する日付の予約が取りづらい傾向にあります。夏の沖縄旅行を検討されている方は、お早目にご予約いただくことをお薦めいたします。沖縄市では、8月21日、22日に「沖縄全島エイサーまつり」が3年ぶりに開催されることが発表されており、力強く躍動する伝統芸能を楽しむことができます。2位には北海道がランクインしました。内訳としては、札幌が90%を占めており、根強い人気が伺えます。日中は25℃を超える夏日もございますが、平均気温は21~22℃と1年を通して最も過ごしやすく、円山動物園や白い恋人パークなど、小さなお子様連れでも楽しむことができる家族旅行におすすめの旅先です。3位には長崎県がランクインしました。長崎県は夜景の美しさでも有名で、稲佐山山頂展望台(長崎市)や鍋冠山公園展望台(長崎市)、ハウステンボス(佐世保市)などが人気の夜景スポットとして挙げられます。夏休み期間中は、夜間の気温が高いため軽装で楽しむことができ、風が少なく写真撮影もしやすい環境です。
国内旅行の人気出発日は夏休み初日が一番人気となりました。週末に絡めた出発日だけでなく、お手頃な金額で楽しめる週半ばのご予約も多く、様々な様相となっております。
<まとめ>
新型コロナウイルスの感染拡大により断念していた旅行を実現させる「リベンジ旅行」という用語が話題になるなど、国内旅行は活況を迎えております。海外旅行においては、ウクライナ情勢などの地政学リスクや、円安、原油高騰による燃油サーチャージの値上がりをはじめとする経済環境など、旅行を取り巻く環境はときに左右されますが、旅を楽しみたいという欲求は変わりません。人と人が出会い、時間を共有し、その土地の素晴らしさを知り互いの理解を深め、地域の活性化にも寄与できる、旅には大きな力があると思います。ふたたび、旅のちからを1人でも多くの方に実感いただき人生に新たな気づきを得ていただけるよう、HISでは引き続き旅の素晴らしさをご提案していきたいと考えております。
注意:記載の出入国条件は2022年6月16日現在のものです。
HIS夏休み・お盆旅行特集 https://www.his-j.com/season/summer/
HIS渡航情報まとめサイト https://hotels.his-j.com/ct/tripiteasy/info/top/